≪わたしの一日≫ 母と、介護と、私。

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MY DAY
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わたしの一日 とは?

all ages

このシリーズでは、シニア世代やその家族が「どのように一日を過ごしているのか」を紹介します。

読みながら「自分や家族の生活」に重ねて考えられる、そんな記事をお届けします。

おはなし人
woman

山本 美香さん(46歳)

夫と小学生の息子の3人暮らし。要介護2の母親(78歳)を自宅で介護しています。
仕事と家庭を両立させながら、母と向き合う日々。
「大変なこともあるけれど、家族だからこそできることがある」と語ります。

朝の時間

美香さんの朝は5時半に始まります。
まず母の部屋をのぞき、体調を確認。
着替えや洗面を手伝い、朝食を一緒にとります。
母の好きなヨーグルトや柔らかいご飯を準備し、食欲の有無をチェックするのも日課です。

その後は自分と家族の朝食とお弁当作り。
夫がゴミ出しを手伝い、息子が母に声をかけるなど、朝は家族総出で慌ただしくも温かい時間が流れます。

昼の時間

午前中は母をデイサービスに送り出し、その間に仕事へ。午後に母が帰宅すると、着替えや排泄のサポートを行います。母の話し相手になり、デイサービスであった出来事を聞くのも大切なひととき。「今日は折り紙をしたよ」「歌を歌ったよ」といった母の言葉に、介護の疲れもやわらぎます。

家族で工夫しているのは「役割分担」。美香さんは身の回りのケア、夫は力仕事や送迎、息子は母の話し相手。小さな役割でも積み重ねることで、家族全員が「介護に関わっている」という実感を持てます。

夕方から夜

夕食は家族みんなで囲みます。母の食事は柔らかめに工夫しながら、できるだけ同じメニューを一緒に楽しむのが習慣。孫との会話に母が笑顔を見せる瞬間は、家族にとって何より嬉しい時間です。

入浴は夫と交代で介助。安全に気を配りながらも「気持ちいいね」と母が笑うと、心が温まります。夜は薬を飲んで就寝準備。母をベッドに送り出した後、美香さんはようやく自分の時間を持つことができます。疲れもありますが、「母と過ごす時間は限られているからこそ、一日一日を大切にしたい」と語ります。

まとめ

介護は決して簡単ではありません。しかし山本さん一家の一日からは、家族で支え合う力と温かさが伝わってきました。「母の笑顔が、私たちの原動力です」という言葉の通り、家族の絆が日々を支えています。

ココレス編集部からのひとこと

介護は負担や不安も伴いますが、その中に家族だからこそ感じられる喜びがあります。山本さん一家の一日からは「共に生きる」ことの大切さを学ぶことができました。みなさんの周りにも、支え合う小さな時間があるのではないでしょうか。

※本記事はプライバシー保護の観点から、登場する名前や人物設定はすべて架空のものです。ただし、綴られた生活の核心は実際の体験や声に基づいています。