わたしの美容法とは

「わたしの美容法」は、年齢を重ねても自分らしい美しさを大切にしている人たちの、日々の美容習慣を綴る手紙です。
化粧品、食事、香り、手の動き——すべてが、その人の人生を映す“美容の記録”です。

川島 里美さん(67歳)
夫と猫と暮らす。
長年アロマの仕事に携わってきた経験を持ち、「香りは、心のスキンケア」と話す。
年齢を重ねたいまは、香水よりも“暮らしに溶ける香り”を大切にしている。
朝は、柑橘の香りでリセット
里美さんの朝は、カーテンを開けると同時にアロマディフューザーのスイッチを入れることから始まる。
ベルガモットとオレンジの香りが部屋いっぱいに広がると、
自然と姿勢が伸びる。
「眠気より先に、心が目を覚ますんです」
洗顔後のスキンケアも、柑橘の香りを少しブレンドした化粧水。
香りを“吸い込むように使う”のが、彼女のこだわりだ。
午後は、香りで気持ちをととのえる時間
午前の家事が終わると、窓を開けて風を通す。リビングにはラベンダーとローズマリーのブレンドを。
「香りは気分で着替えるもの」と言いながら、
その日の天気や気持ちに合わせて変えている。
疲れた日には甘いバニラ、落ち着きたい日はヒノキ。
香りで心の温度を調整するのが、里美さん流のセルフケア。
夜は、香りで眠りを包む
寝る前は、寝室に小さなキャンドルを灯す。ユーカリとサンダルウッドの香りを混ぜて、深呼吸を三回。
「香りを変えるだけで、同じ部屋でも空気が違う」
布団に入るころには、呼吸がゆっくりになっていく。
「良い香りで眠ると、朝の顔まで優しくなる気がします」
——香りは、眠りと心をつなぐ橋のようだ。
小さなこだわり、美容法いろいろ
- アロマは“気分”で選ぶ。体調より、心の声を優先。
- 日中の香りはすっきり系、夜は甘く深い香り。
- 香りを置く場所は高い棚ではなく、目線の少し下。自然に届くから。
- 週末は香りのない日をつくる。鼻も心もリセットするために。
- 外出時は香水ではなくハンカチに一滴。やさしく香るのが心地いい。
香りは、記憶や感情をやさしく呼び起こすもの。
一瞬で空気を変え、気持ちを整えてくれます。
自分の心に合う香りを見つけることも、“自分らしい美容”のひとつのかたちです。
※本記事はプライバシー保護の観点から、登場する名前や人物設定はすべて架空のものです。ただし、綴られた生活の核心は実際の体験や声に基づいています。
