わたしの美容法とは

「わたしの美容法」は、年齢を重ねても自分らしい美しさを大切にしている人たちの、日々の美容習慣を綴る手紙です。
化粧品、食事、香り、手の動き——すべてが、その人の人生を映す“美容の記録”です。

中川 節子さん(70歳)
夫と二人暮らし。
数年前まで定期的に白髪染めをしていたが、肌の刺激と手間をきっかけに“染めない選択”をした。
今では「白髪も自分の色」として、自然体のヘアケアを楽しんでいる。
朝のルーティンは、“ブラシと香り”から
節子さんの朝は、木のブラシを手に取るところから始まる。
ゆっくりと頭皮をなでるようにブラッシングしながら、髪全体に空気を通す。
「白髪は光をよく反射するから、ツヤを出すときれいに見えるのよ」と笑う。
整えたあとに、無香料のヘアオイルを毛先にほんの一滴。
ブラシとオイルだけの、静かな朝の儀式だ。
午後は、日差しと上手につきあう
出かける前には、帽子と日焼け止めスプレーを忘れない。
白髪は紫外線の影響を受けやすいため、しっかりガードするのが習慣。
「外では人に会うことも多いから、つやのある白髪でいたいの」
風に揺れる髪が自然に輝くと、年齢よりもずっと若々しく見える。
最近は友人にも“白髪を活かす”スタイルをすすめているという。
夜は、頭皮と心をゆるめる時間
お風呂では指の腹でゆっくりと頭皮をマッサージ。
血流がよくなり、体まで温まっていく。
タオルドライのあとは、無添加のトリートメントを軽くなじませ、
白髪の部分を指で整える。
「染めていた頃より、髪に触れるのが楽しくなりました」
自然体で手をかけることが、いまの節子さんの“美容”になっている。
小さなこだわり、美容法いろいろ
- ブラシは木製のものを愛用。静電気が起きにくく髪にやさしい。
- ヘアオイルは無香料タイプを少量だけ。つけすぎないのがコツ。
- 週に1回はシルバー専用シャンプーで黄ばみを防ぐ。
- 日中はUVカット帽子を常備。つば広タイプがお気に入り。
- 白髪を見つけても抜かない。「一本の歴史」として受け入れる。
「白髪」は衰えではなく、重ねた時間の証。
それを受け入れ、楽しむ姿はとても美しく見えます。
自分を隠す美容から、自分を愛でる美容へ——
そんな変化を感じさせてくれる物語でした。
※本記事はプライバシー保護の観点から、登場する名前や人物設定はすべて架空のものです。ただし、綴られた生活の核心は実際の体験や声に基づいています。
