庶民のパンから世界の味へ――ピザの歴史をめぐる旅

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トマトソースにとろけるチーズ、香ばしい生地に広がる自由なトッピング――
今や世界中で親しまれる「ピザ」ですが、そのルーツはとても素朴な“パン料理”だったことをご存じですか?
今回は、そんなピザの起源と進化、日本への伝来までの歴史をやさしくひもときます。

  • ピザのルーツは古代ローマの平たいパン
  • ナポリで完成、アメリカで進化した国民食
  • 日本でもすっかり定着した“みんなのごちそう”
目次

起源は古代ローマの“平たいパン”


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ピザの原型は、古代ローマ時代に食べられていた「フォカッチャ」のようなパン。
平らなパンにオリーブオイルやハーブをのせて焼く、シンプルながら香り豊かな一皿でした。

当時のピザには、まだトマトソースは使われていません。
トマトがヨーロッパに伝来するのは16世紀以降で、それまでは“赤いピザ”は存在していなかったのです。

「パンの延長線上」にあった料理が、時代とともに“ピザ”として独立していったのです。

ナポリで誕生した「トマトのピザ」


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18世紀後半、ナポリの庶民の間でトマトを使ったピザが登場しました。
安くて手軽、そして満足感のある料理として屋台や路上で人気を集めます。

1889年、イタリア王妃マルゲリータがナポリを訪れた際に捧げられた「マルゲリータ・ピザ」は、
トマト(赤)、モッツァレラ(白)、バジル(緑)でイタリア国旗を表現したもの。

この一皿が「イタリアを代表する料理」としてのピザの地位を確立するきっかけとなりました。

アメリカと日本に広がったピザ文化


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20世紀初頭、イタリア移民によってアメリカにピザが伝わり、
ニューヨークやシカゴで独自の「アメリカンピザ」が進化。

冷凍食品や宅配サービスの発展とともに、ピザは世界中に広がっていきます。

日本では昭和30年代に喫茶店や洋食店で提供されはじめ、
1980年代以降、宅配ピザの普及によって家庭の定番メニューへ。

いまでは冷凍ピザ、手作りピザ、レストランなど、さまざまなかたちで親しまれています。

まとめ

ピザは、古代のパン料理から始まり、ナポリで完成し、アメリカで進化し、日本でも定着した“世界の味”。
その背景には、庶民の工夫、王族の祝福、そして文化の交差があります。

一枚のピザには、国や時代を超えたたくさんのストーリーが詰まっています。
今日もまた、誰かの笑顔のそばで焼き上がっているかもしれません。

ココちゃん

ピザってこんなに歴史があるんだ〜!
マルゲリータって名前にも、ちゃんと理由があるんだね♪