辛さの奥に、やさしさがある。麻婆豆腐の歴史をひもとく

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Mapo tofu

豆腐のやわらかさに、ひき肉の旨みとピリ辛のソース。
家庭でもおなじみの麻婆豆腐(マーボーどうふ)は、今ではすっかり日本の定番料理。
けれどそのルーツは、中国・四川省のとあるおばあさんが作った一皿にありました。
今回は、そんな麻婆豆腐の誕生から日本での変化までをやさしく紹介します。

  • 麻婆豆腐の名前に隠された意味を解説
  • 中国・四川省での誕生から日本への伝来までの流れ
  • 家庭の味として進化を続ける現代の麻婆豆腐事情
目次

麻婆豆腐の“麻婆”ってどんな意味?

Mapo tofu

「麻婆豆腐」の名前は、中国語でこう書きます:
麻(マー)= しびれるような辛さ(花椒:ホアジャオ)
婆(ポー)= おばあさん
豆腐(ドウフ)= 豆腐!

つまり、麻婆豆腐とは「しびれ好きのおばあさんが作った豆腐料理」という意味なのです。
昔、顔にあばた(麻)があったおばあさんが作った豆腐料理として、地元で人気になったのが始まりだといわれています。

生まれたのは中国・四川省

Mapo tofu

麻婆豆腐は、中国・四川省の成都(せいと)で19世紀ごろに誕生。
四川料理特有の「しびれる辛さ」と「唐辛子の熱さ」が特徴です。

もともとは豆腐とひき肉の“安くて栄養のある庶民の味”として親しまれていました。

本場では花椒(ホアジャオ)のしびれる辛さが主役で、かなり刺激的な一皿です。

日本にやってきたのは昭和時代

Mapo tofu

麻婆豆腐が日本に広まったのは1970年代。
東京・赤坂の「四川飯店」の初代料理長、陳建民(ちん・けんみん)さんが日本人の味覚に合わせてアレンジしたのがきっかけです。

唐辛子や花椒を控えめにし、みそやしょうゆでコクを加え、
辛さをマイルドにしながらもうまみと風味をしっかり残した味付けに。

テレビ番組で紹介されたことをきっかけに、麻婆豆腐は一気に家庭料理の定番となりました。

まとめ

麻婆豆腐は、ひとりのおばあさんが生み出した一皿が、国を超えて多くの人に愛される料理になった、まさに「食の旅人」。
しびれる辛さの中に、どこかホッとするやさしさがあるのは、
その料理に込められた「家庭を想う気持ち」が受け継がれているからかもしれません。

ココちゃん

麻婆豆腐って、ピリッと辛いけど、どこかあったかくて…おばあちゃんの味って感じがするんだよね♪